WSET Level3 練習問題(フランス南部)
2021年6月19日 /
このページでは、WSETテキストの章ごとの内容を、WSETの出題形式に沿った練習問題の形式で復習します。
この章では、「フランス南部」について学習します。
問1
IGPワインがなぜ商業的に成功したのかを説明しなさい。
4点
答え
解答
IGPワインでは, 多様な品種が許可されているため, 国際的に人気な品種を選んで栽培することができる上, DOCワインではできない品種名の表示を行うことができるため, ワインに明るくない人にもわかりやすい表記でワインを売ることができるから。
採点基準
- IGPの規定として, 「多様な品種でワインを造ることが可能である」という点に触れて1点。
- 上記が商業的に成功を収めるに至った理由として, 「国際的に人気な品種を選んで栽培することができる」などの, DOCの規制のもとではできなかった, 生産者が市場の需給に合致する戦略をとることができるという点に触れて1点。
- IGPの規定として, 「ワインのラベルに品種名を表示することができる」という点に触れて1点。
- 上記が商業的に成功を収めるに至った理由として, ワインに明るくない人にも「わかりやすい表記でワインを売ることができる」などの, DOCの規制のもとではできなかった, 顧客獲得につながりうるラベルのデザインにすることができるという点に触れて1点。
問2
フランス南部で認められているロゼワインの製法を2つ挙げ, それらを描写しなさい。また, それぞれの製法がワインのスタイルにどのように貢献しているのか説明しなさい。
製法1:
5点
製法2:
5点
答え
解答
製法1:直接圧搾。黒ブドウを, 白ワインの醸造方法と同様に破砕と圧搾を行い, 低温で発酵を行う。果皮との接触時間が短く, 果皮からのタンニンや色素の抽出が少ないため, 直接圧搾で造られるロゼワインは, 色が淡くタンニンも少ない軽いスタイルのワインになる。
製法2:短期間のマセラシオン。黒ブドウを破砕し, 短期間果汁を果皮に漬け込むマセラシオン処理を施した後, フリーラン果汁を抜き取り低温で発酵させる。果皮と接触させる時間が長く, 多くのタンニンや色素, そして風味の抽出をしているため, 短期間のマセラシオンで造られるロゼワインは, 色がやや濃くタンニンもやや多い, ボディのあるスタイルのワインになる。
順不同
採点基準
製法1
- フランス南部で認められているロゼワインの製法の一つとして, 「直接圧搾」と答えて1点。「直接圧搾法」などの表現も可。
- 直接圧搾は, 黒ブドウを破砕し, 白ワインの製法と同様に果皮と漬けこまず圧搾を行う手法であるという点に触れて2点。
- 直接圧搾で造られるワインのスタイルとして, 「色が淡く, タンニンが少ない」と答えて1点。短期間のマセラシオンと比較し, 色素やタンニンの少なさに指摘できていれば多様な表現を許容する。
- 上記の理由として, 直接圧搾では「果皮との接触時間が短く, 果皮からのタンニンや色素の抽出が少ない」という点に触れて1点。
製法2
- フランス南部で認められているロゼワインの製法の一つとして, 「短期間のマセラシオン」と答えて1点。「セニエ法」などの表現も可。
- 短期間のマセラシオンは, 黒ブドウを破砕し, 短期間果汁を果皮に漬け込むマセラシオン処理を施した後, フリーラン果汁を抜き取り低温で発酵させる手法であるという点に触れて2点。
- 短期間のマセラシオンで造られるワインのスタイルとして, 「色がやや濃くタンニンもやや多い」と答えて1点。直接圧搾と比較し, 色素やタンニンの多さに指摘できていれば多様な表現を許容する。
- 上記の理由として, 短期間のマセラシオンでは「果皮との接触時間が長く, 果皮からのタンニンや色素の抽出が多い」という点に触れて1点。