第4回J.S.A.ブラインドテイスティングコンテスト決勝
こんにちは、Tomoです。
第4回J.S.Aブラインドテイスティングコンテストの決勝が開催されました。自分は視聴していただけですが、とてもおもしろい大会でしたので決勝の内容を紹介しようと思います。
ブラインドテイスティングコンテストとは
ブラインドテイスティングコンテストとは、日本ソムリエ協会が主催する、ワイン及びその他のお酒のブラインドテイスティング能力を競い合うコンテストです。
9月に予選が行われ、予選を突破した方12名で11/23に決勝戦が行われました。予選の様子は自分のブログのこちらのページで紹介していますのでぜひ御覧ください。
ブラインドテイスティングコンテストが開催されるのは今回で4回目なのですが、今回はコロナの影響で初めての無観客での決勝戦になりました。
しかし、決勝の様子がソムリエ協会のfacebookでLive配信されたり、Google Formで応援メッセージを送れたりと、オンラインでも大会を盛り上げるための工夫が凝らされていました。自分もこのLive配信で決勝の様子を拝見してました。
決勝は全部で3ステージあり、1stステージ目で12人から8人に、2ndステージ目で8人から3人に、そしてファイナルステージで優勝者が決まります。どのステージも難問奇問(そして悪問)ばかりで、ブラインドテイスティングの決勝と呼ぶにふさわしい内容でした。1ステージずつ内容を紹介します。
1st ステージ
まずは12名で行われた1stステージ。
1stステージの出題形式は、選手の前に1つずつアイテムが出されて、そのワインや日本酒、焼酎について回答するというシンプルなもの。ワインは品種、産地、ヴィンテージが問われ、日本酒は品種、特定名称、精米歩合、酒母を、焼酎は蒸留法、何焼酎か、そして地理的表示名が問われました。
出題されたのは、白ワイン2種類、ロゼワイン1種類、赤ワイン3種類、そして日本酒と焼酎1種類ずつでした。シンプルな出題形式ですが、テイスティングにかけられる時間がわずか1分とかなり短く、さらに出題されるアイテムがかなり難しい。。ここまで分かれるのか、というくらいみなさんバラバラな解答をしていました。ブラインドテイスティングはやはりとても難しいですね。。
難しいアイテムをすばやく分析する能力が試される、決勝にふさわしい出題でした。
出題されたアイテムは以下の通りです。
- 2017年 スペイン リアス・バイシャス アルバリーニョ (白)
- 2012年 フランス アルザス ピノ・グリ (白)
- 2019年 日本 長野 メルロー (ロゼ)
- 2015年 フランス ボージョレ/ムーラン・ア・ヴァン ガメイ (赤)
- 2017年 イタリア プーリア州/プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア プリミティーヴォ (赤)
- 2017年 オーストラリア ヴィクトリア州/ヤラ・ヴァレー カベルネ・フラン (赤)
- 五百万石 純米酒 精米歩合60% 生酛 (日本酒)
- 長崎 隠岐 麦焼酎 常圧蒸留 (焼酎)
長野メルローやムーラン・ア・ヴァンは正解者なしという非常にレベルの高い出題でしたが、他のアイテムは正解者も続出でさすがファイナリストという感じでした。
実際に出題されたアイテムは以下の通りです。ぜひお試しください。
2nd ステージ
第2ステージは第1ステージと傾向が大きく変わります。
選手の前にまず白ワインが6種類並べられます。その白ワインを3分間テイスティングしてもらい、その後その6つのワインに関する質問を答えていくという形式です。
今回出題された6種類のワインは以下の通りでした。
- Sancerre les Calcaires / Lucien Crochet 2017
- Kimura Cellars Sauvignon Blanc Home Block 2020
- Les Hauts de SMITH 2018
- ルバイヤート Sauvignon Blanc 2019
- Principessa Gavia Gavi / BANFI 2019
- Cool Coast Sauvignon Blanc / Casa Silva 2018
色んな産地のソーヴィニヨン・ブランが集められています。そしてこのリストをもとに出題された問題は以下の通りでした。
- 1~6の中で日本ワインはどれか、番号を1つ選べ。
- 1~6の中で南半球のワインを全て選べ。ただし違う番号を選ぶと減点。
- 1~6の中で標準希望小売価格が一番高いワインはどれか、番号を1つ選べ。
- 1~6の中で品種の仲間はずれのワインを全て選べ。ただし違う番号選ぶと減点。
- 仲間はずれの品種名を記入せよ。
- 1~6の中で一番古いヴィンテージの番号を全て選び、ヴィンテージを記入せよ。ただし違う番号選ぶと減点。
ブラインドでここまで答えなければいけないのは、とても大変そうです。そして質問が意地悪すぎて、、6番とか古いヴィンテージを書かざるをえないでしょ、、
ちなみに正解は、
- 4番(ルバイヤート)
- 2番(NZ)と6番(チリ)
- 3番
- 5番
- コルテーゼ
- 1番、2017年
です。今回出題されたワインは以下の通りです。みなさんもぜひ試してみてください。
ファイナルステージ
ファイナルステージは、1stステージと2ndステージを組み合わせた形式でした。
選手の前にワインが一つ配られ、それをn分間テイスティングします。その後そのワインに関する質問に解答するというものです。アイテムは白ワイン1種類、赤ワイン1種類、そして最後はブラックグラスでのテイスティングです。
1問目の白ワインは、Clos de la Coulee de Serrant / Nicolas Joly 2000でした。皆さんご存知、ビオディナミの伝道師ニコラ・ジョリーの傑作です。このワインに関する質問は以下の通りでした。
- このワインのヴィンテージを答えよ。
- このワインの主要品種を答えよ。
- このワインの特筆すべき個性を答えよ。
- このワインのアルコール度数を答えよ。
- このワインの生産国はフランスである。AOC名を答えよ。
みなさんアルザスよりの答えをしていました。どんな印象のワインなのかとても気になります。。
ちなみに解答は以下の通りです。
- 2000年
- シュナン・ブラン
- ビオディナミ?
- 13.5%
- AOC Savennieres-Coulee de Serrant
2問目の赤ワインは、SOLARIS 信州 東山 カベルネ・ソーヴィニヨン 2014でした。1~3ステージ全てで日本ワインが出題されています。このワインに関する質問は以下の通りでした。
- このワインは、北半球か南半球どちらで生産されたか答えよ。
- このワインの税抜標準希望小売価格を答えよ。
- このワインの主要品種を答えよ。
- このワインのヴィンテージを答えよ。
- このワインの生産国及び生産地を答えよ。
最初の問題は全員正解、さすがです。他の質問ではボルドーよりの解答が多かったです。日本のカベルネ・ソーヴィニヨンのポテンシャルを感じる問題でした。
ちなみに解答は以下の通りです。
- 北半球
- 14000円
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- 2014年
- 日本 / 長野県
3問目のブラックグラスで出題されたワインは、SOLERA Ratafia Champenoisでした。
ちなみにラタフィアとは、シャンパーニュ地方で生産されるV.D.L.(ヴァン・ド・リキュール)です。未発酵のぶどう果汁にマールを添加したフォーティファイド・ワインの一種で、シャンパーニュ地方のぶどう栽培農家で主に自家消費用に生産されています。
このワインに関する質問は以下の通りでした。
- このワインに使用されている品種を全て答えよ。
- このワインのヴィンテージを答えよ。もしこのワインにヴィンテージ表記がないと判断した場合はないと答えよ。
- このワインのアルコール度数を答えよ。
- このワインの原産地呼称を答えよ。
- このワインのタイプを答えよ。
最後の問題とありどれも難問続き。。しかしみなさんかなり近い解答をしていてさすがだなと思いました。
ちなみに解答は以下の通りです。
- ピノ・ノワール(70%), シャルドネ(30%)
- NV(ノン・ヴィンテージ)
- 17%
- ラタフィア・ド・シャンパーニュ
- V.D.L.
このワインにヴィンテージ表記がないのは、ソレラ方式で熟成しているからですね。
以上が決勝で出題された3アイテムです。どれも決勝にふさわしい個性的なアイテムばかりでした。
そして激戦を制し優勝したのは、アカデミー・デュ・ヴァンで講師をされている大塚美咲さんでした。おめでとうございます!
自分も二次試験のときは大塚さんにとてもとてもお世話になりました。やはりさすがです。
ワインは難しいけどやはり楽しいと感じた大会でした。自分もまだまだがんばらなくては、、!
決勝の様子はソムリエ協会のfacebookで閲覧できますので、こちらもぜひ御覧ください。